ロレックス修理専門会社クラウンマイスターズ

Crown-Meisters & Co.

ロレックスの修理実績をご紹介いたします

Ref.16800 Ref.168000 成分比較

2017.04.13

以前比較した、Ref.16800 Ref.168000をさらに検証してみましたので、ご紹介いたします。

ステンレスが変更されていると言われていますが…一般的に、1985年にステンレスが
316Lから904Lに変更されている為と
言われていますが、果たして本当でしょうか。
Ref.1680 Ref.16800 Ref.168000 Ref.16610 Ref.116610検証するにあたり、Ref.1680、Ref.16800、
Ref.168000、 Ref.16610、 Ref.116610の
5本を用意いたしました。

 

本来、しっかりと測定するのであれば、スパーク放電発光分析法を用いるのですが、検査の為に時計を破壊するわけにはいきませんので、非破壊での検査方法でおこないます。
そのため、316L、904Lまで細かく特定することは難しいので、実際には300番台か、それ以外かの検証となってしまいました。
それ以外としたのは、904Lの成分表が無い為です。

結果  
Ref.1680 300番台
Ref.16800 300番台
Ref.168000 300番台以外
Ref.16610 300番台以外
Ref.116610 300番台以外

 

300番台の含有率300番台
Fe 67~70% Ni 10~14% Cr 16~18%
主に鉄(Fe)ニッケル(Ni)クロム(Cr)
の含有率できまります
300番台以外の含有率300番台以外
Fe 50% Ni 24% Cr 20% Mo 3.8% Cu 1.3%
鉄(Fe)ニッケル(Ni)クロム(Cr)
モリブデン(Mo) 銅(Cu)
以上の結果から、言われている通り904Lと
いっても問題ないと思われます。 なお、これは
ステンレスの定義ギリギリの数値と思われます。

 

以上から、ロレックスは、キズの付きやすさを犠牲にしてでも、海水等による耐腐食性を重視したと言えるかもしれません。
 
結論
Ref.16800とRef.168000のケースは明確に違います。
なぜRef.168000のギャランティーに、Ref.16800と明記されるのか謎のままとなってしまいました。