ロレックス修理専門会社クラウンマイスターズ

Crown-Meisters & Co.

ロレックスの修理実績をご紹介いたします

磁気帯びの検証

2024.03.06

毎週多くのお客様のロレックスを見ていると、磁気を帯びているものが多いことがわかります。磁気帯びについては当ブログでも紹介していますし、少し検索すれば非常に多くの情報を知ることができます。大抵の場合、携帯電話や家電製品から発生する磁気やバッグなどの留め具に利用されている磁石に気を付けましょうというものです。今回は私自身の時計(Ref.16570 A番 Cal.3185)を使い、自己責任の元、磁気帯びの検証をしてみたいと思います。※真似は絶対におやめ下さい。

普段は大切に使っているエクスプローラーII。 普段は大切に使っているエクスプローラーII。
1日で約8秒ほど進みます。
確実に磁気を入れるために、ネオジム磁石を使用します。 確実に磁気を入れるために、
ネオジム磁石を使用します。

 

クリスタルに乗せるように磁石を近づけます。 クリスタルに乗せるように磁石を近づけます。翌日、磁気帯びしたことを確認します。 翌日、磁気帯びしたことを確認します。ゼンマイを手巻きした際のガリガリ感はありませんが、方位磁石は反応しましたので、予定通り磁気は入っているようです。

 

測定器で確認すると、予想よりも精度が高く、普段と大きく変わっているとは思えません。 測定器で確認すると、予想よりも精度が高く、
普段と大きく変わっているとは思えません。
このままでは終われませんので、裏蓋を開けて自宅に持ち帰り、磁石をギリギリまで近づけます。このままでは終われませんので、裏蓋を開けて自宅に持ち帰り、磁石をギリギリまで近づけます。(磁力は距離の二乗で弱まります)ヒゲゼンマイが引っ張られ、たわみ、やがて止まってしまう様子が確認できました。
(磁石を離すと動き出しました)

 

今度は、手巻きの際にガリガリと嫌な感触が伝わってきました。 今度は、手巻きの際にガリガリと嫌な感触が
伝わってきました。
測定器にかけてみると、意外にもしっかりと精度を保っていました。 測定器にかけてみると、意外にもしっかりと
精度を保っていました。

 

検証後にしっかりと磁気抜きをし、オートマ機構を分解洗浄いたしました。 検証後にしっかりと磁気抜きをし、オートマ機構を分解洗浄いたしました。

 

検証を終えてまず思ったことは、磁気が入ったにも関わらず、意外にも精度を保っていたということです。過去には、磁気によってヒゲゼンマイがくっついていたものも確認しているので、もっと磁気を入れることは出来たはずです。では原因はなんでしょうか。
①単純に磁気が弱かった。
②磁気を入れる時間が短く、磁気がしっかりと入らなかった。
いずれにしても今回の結果は予想を良い方向に裏切るものとなりましたが、決して磁気を気にせずに使用できると証明するものではありませんので、磁気にはくれぐれもお気を付けてご使用ください。

  
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