ロレックス修理専門会社クラウンマイスターズ

Crown-Meisters & Co.

ロレックスの修理実績をご紹介いたします

ロレックス GMTマスター Ref.1675 オーバーホール

2014.09.04

Ref.1675 Cal.1570 1978年製

今週より、前回ご紹介させていただいたGMTマスターRef.1675のオーバーホールの分解作業をご紹介します。
 
今回は自動巻き機構です。
前回ご紹介させていいただきましたが、ご依頼品の状態のひとつにゼンマイの巻き上げ不良が見受けられました。
不良個所など原因の違いにより、全くゼンマイを巻上げることができないもの、巻上げることはできるがリューズでゼンマイを巻上げることが重く感じられるもの、時計を身に着けていても止まってしまう(自動巻き機構搭載)など様々な巻き上げ不良とされる状態のものがあります。

ご依頼品の機械のゼンマイ巻き上げ不良は自動巻き機構の歯車の動きが悪くなっていたために、リューズでゼンマイを巻いたときにとても重く感じられる状態でした。
歯車の動きが悪くなる原因もいくつかの原因が考えられますが、今回の巻き上げ不良の原因は磁気帯び、汚れ等によるもので、機械の磁気を抜き、洗浄してきれいな状態で組み立てなおすことにより解消し、リューズでの巻き上げが適度な重さに戻ります。
 

自動巻き機構を取り外します焼き入れされブルーに仕上げが施されたスクリューを外し、自動巻き機構を取り外します。
分解作業を進めていきます。
各歯車を上下で受けている石の状態を確認します各歯車を上下で受けている石の状態を確認します。
石にひびや割れなどが見受けられた場合には交換が必要になり、受けにはめ込まれている石の高さが適切ではないものは、高さの調整が必要になります。
ご依頼品は交換、調整の必要はありませんでした。

 

各歯車の状態を確認します各歯車の状態を確認します。
ご依頼品の自動巻き機構の各歯車の状態は軽度の摩耗が見受けられますが磨き上げることで対応いたします。
ローター真 拡大写真ローター真 拡大写真
ローター真の摩耗やカシメ部の状態を確認します。
摩耗が進んでいる場合やカシメ部がゆるんでいる状態ではローターが回転する際にグラグラしてしまい、ゼンマイが効率よく巻上げられなくなってしまいます。また、状態によっては各機構の受けに擦りながらローターが回転してしまい、機械を傷めてしまいます。
ローター真の状態に応じて交換やカシメ直す作業を必要とします。